「…………なんで?」
「さあ?」
ざっざっざっざ……
「アツェムだけならまだしも、何故に私まで?」
「数名って勅命上にはあったので、店長さんが私とフェリシアさんが適任だと判断したみたいですね。」
ざっざっざっざ……
「あんた一人で事足りるでしょ!?」
「あはは、店長さんが言うには冒険のパーティーには花が無いと駄目なんだそうです、お茶目さんですよねえ。」
「なんんっじゃそりゃああああ〜〜〜〜〜〜!!」
フェリシアの不満が森の中で爆発した。
ざっざ、
「そこ、煩いぞ!」
それを見て間髪いれずアツェム達と同行している研究員の一人が睨む。
「あ、す、すみません。」
「すみません、フェリシアさんは賑やかな人なものですから。」
「う、うるさいわよっ」
こんな時までいつものペースのアツェムにフェリシアは心中で涙した。
「ふんっ! 道具屋風情がっ!」
睨んだ研究員は吐き捨てるようにそう言うと先に向かって歩いていった。
「はぁ〜、なんだか、こうあからさまに敵視されてるとなぁ。」
「はは、まあ、プライドが傷つくのも無理はありませんよ。とりあえず、彼らを立てつつ、早く終わらせましょう。」
ここまで来る間にかなり精神的な疲労が溜まっているフェリシアにアツェムが労う様に言った。
「はは、それ、研究員の人の前で言わない方が良いよ。でも、お願いね。」
フェリシアも研究員には悪いと思っているのだがこんな冒険まがいの事は早く終わらせてしまいたいと思っているらしい。
二人がそんなこんなで隊の最後尾に目立たぬように静かに同行しようと言うことで話をまとめると、不意に聞いた声が彼らの耳に入ってきた。
「あ、あの……」
声の主は少し怯えたような、申し訳なさそうな声色で彼らに話しかける。
「あれ、エリシエさん。」
「おや、貴方もこの隊に?」
そう、エリシエである。
エリシエは二人の疑問に答えようとしたが、話しかけた目的を思い出したのかその場で急に二人に向かって頭を下げた。
「も、申し訳ありません。あの人たち、アツェムさん達の事良く思ってなくて、でも、本当は真面目な人達で、その、気を悪くしないで下さい。」
どうやら仲間がアツェムたちに事あるごとに食って掛かってくるのに罪悪感を覚えた様子だった。
「はは、お気にせず。あの人たちの気持ちも分からないわけじゃありませんから。」
「そんな、頭なんか下げなくても良いですよ。」
ほぼ同時にエリシエにそう言うと、エリシエはほっとしたような表情を浮かべた。
「それにしても、何で王国の探検に私達まで同行する事になったのかしら、エリシエさん、何か知ってます?」
不意にフェリシアがそう尋ねると、エリシエの顔がまた申し訳無さそうに歪んでしまった。
その様子を見てフェリシアが不思議そうな表情になり、何事か尋ねようとすると、
「解読を進めるうちに今までの自分達の知識が信じられなくなった。 加えて遺跡探索なんて危ない事をするには情報は幾らあっても足りない。 更に解読が上手く出来なければ話にならない、だからエリシエ君が私達を推薦した。 でしょう?」
横からアツェムが代弁するかのように言葉を紡ぎだした。
それを聴いてエリシエはぎょっとしてアツェムの方を向く。
「あはは、少し考えれば判る事でしょう?」
フェリシアもそれを聴いて暫く固まっていたが、次の瞬間には納得したような顔をしていた。
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