「ああ〜成る程〜それにしてもよく一息でそこまで言えましたね〜」
アツェムはぶんぶん振られながら感心といった様子で言った。
フェリシアはより一層アツェムを振りながら、
「そこじゃないでしょ!?何処に関心持ってるのよ!?あんた自覚あるの!?あんたの事ばれたらまずいんじゃないの!?」
ぶんぶんぶんぶん
あまりの激しさに風切り音が周囲に聞こえる程の振り具合だ。
「あ〜すいません〜謝ります〜あ〜感心に関心を持つ〜なんてどうでしょうか〜?〜酒場のホウラクさんが〜喜びそうな駄洒落〜あ〜あ〜あ〜あああああ〜」
もはやぶんぶんと言うよりぶぉんぶぉんと言うほどの速度でアツェムの頭は振られていた。
はたから見ているだけで目を回しそうな勢いである。
「あんたは〜少しは真面目に聞きなさいよっ!!」
「あはは〜、聞いてます〜よ〜。はい〜、次は〜気をつけますから〜。」
それを聞いてぴたっと、アツェムを振る腕が止まった。
「はぁ、もういいわ。ほんと、理由考えて損しちゃった。」
どうやらあきれ果てて止めただけのようだ。
その言葉に今度はアツェムが反応する。
「ああ、成る程。エリシエ君が質問した時にそれを考えてたんですか。いや、何を考えてたのかな、って気になってたんですよ。そうだったんですか、ありがとうございますね。」
「な、何でお礼なんか。」
礼を言われると考えていなかったのだろう、全くの不意打ちに彼女の顔がうっすらと赤くなる。
「いえ、私のために色々して下さったのですから、お礼を言うのが礼儀でしょう?」
人差し指を立てて言うさまはまるで保父さんである。
「へ、へぇ。ま、まぁ、悪い気はしないかな。」
赤い顔でそっぽを向いてそういう彼女はさしずめ素直じゃない子供、といった所だろう。
「おっと、足が止まってしまいましたね。そろそろ帰らないと、彼がおなかを空かしてるでしょうから。」
アツェムの足がフェリシアの家へと向かう。
「あ、ちょっと。」
不意打ちのお礼の余韻に浸っていた彼女をアツェムが無理やり現実へと引き戻した。
「まったく、マイペースっていうか、なんていうか。・・・ま、いっか。」
軽く笑い、誰に言うでもなく呟きながらフェリシアがアツェムの後を追う。
「ねぇ、鍵持ってるの私なんだから、あんたが先行ってもしょうがないじゃん。」
「おや、それは盲点。」
たわいも無い会話をしながら二人の時間は過ぎていった。
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翌日、店が開くとほぼ同時にエリシエの姿が店内に現れた。
そして今日も、問答解読が始まる。
「さて、昨日はここまででしたね。では、始めましょうか。」
「はいっ、お願いします!」
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