「ふう、成る程ね。 確かに、考えてみれば判る事か」
そういうフェリシアの隣でエリシエが話し始めた。
「す、すみませんでした。 その、こんな危険な遺跡探索なんて初めてで、僕らの知識じゃ道に迷いそうだったし、その、」
だがその口調は弱々しく、しどろもどろだ。
どうやら二人が怒っていると思っているらしく、生来の気弱さとの相乗効果でかなり怯えた感じになってしまっている。
「そんなに怯えなくても良いですよ、怒ってなんかいませんから」
「そうですよ、エリシエさんがそう考えるのも尤もだと思います」
そんなエリシエに納得した様子の二人が告げた。
それを聴いてエリシエの表情が少し柔らかくなるのを確認すると、
「でも、今度からは事前に一言くらい言って下さいね」
「そうそう、最初聴いた時はほんと、何事かと思ったんですからね」
最後にアツェムはいつもの様子で、フェリシアはびしっとエリシエを指差して言った。
「あうう、すみませんでした」
先程の二人の言葉で幾分落ち着きを取り戻したエリシエがぺこりと頭を下げた。
どうやらこの言葉で探索に付き合うことになった話にはケリがついたようだ。
フェリシアは納得がいったようでもう不満げな表情を出す事も無く、ようやくいつも通りに戻った。
エリシエもわだかまりが解けたような表情に戻っていた。
場の雰囲気は三人が店で解読をしていた時のような柔らかなものになり、探索は順調に進んでいった。
そして――
「ふむ、着いたようですね」
探索隊の前方に六メートルほどの大きさをした洞窟の入り口が姿を表していた。
研究所のメンバーはなにやら入り口近くの岩を見て相談らしきものをしているようだ。
「ねぇ、あの人たち何やってるの?」
「さあ、何か見つけたみたいですけど」
いかに同じメンバーと言えどアツェムたちはまだ彼らと打ち解けた訳ではなかった。
向こうの方もアツェムたちと打ち解けようと考える者は極僅かで、二人が話す研究員といえば専らエリシエだった。
今回も二人は研究員達の輪に入ろうとする事も無く、遠くから洞窟を眺めている。
「うっわ〜、なんかいかにもって感じね」
「あはは、まあ、古い洞窟なんてそんな物ですよ」
「ま、それもそうか」
そう言ってアツェムも洞窟の方に目を向けた。
すると、
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