その間にも弾は機械的な音と共に再装填されていく。
「ちっっくしょぉぉぉ!!少しは弾詰まるとかしやがれぇぇぇぇぇぇ!!」
そう起こる筈も無い事を叫びながら、彼は全力で岩めがけて走る。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!
まだ半分程しか辿り着いていない彼に容赦なく銃弾が浴びせられる。
「アグッ!!!!」
そして、健闘虚しく彼の右腕と左足は見事に貫かれた。
両方合わせると10発近い弾丸が彼を通って行ったのだ。
彼の体は勢いが止められないまま前方につまずく形で沈み、大地を削りながら数メートル転がった。
「グッ、アアアアアア!!!!」
彼を襲う激痛、もはや走る所ではない。
彼は手足から血を流しながら痛みにのた打ち回っていた。
そこにまた再充填の音が響く、彼のそんな様子など相手は気にかけていない。
その手は確実に彼に止めを刺そうとしていた。
何かの目にのた打ち回る彼がロックされる。
一方彼はもう逃げる事を考える事すら出来る様子ではない。
何かの手が彼の急所を狙う、そしてその手から幾十もの銃弾が―――――――――――
「止まりなさい!!」
たった、一言。
その一言で、銃弾は、ただの一発も、何かの手から出る事は無かった。
彼の手足を弾が貫通している間、岩の陰から一人の少女が出てきていた。
この砂漠にいるどの民族も着ていないような格好をしていた。
だが、そんな事を気にする暇も無く、既に彼はあまりの激痛と出血に意識を失っていた。
少女が彼に近付く、
「酷い・・・、このままじゃ、そんなに持たない。」
そう言って、何かを睨みつける。
だが、何かは身じろぎもせず、ただ、そこに立っていた。
まるで彼女の命令を待っているかのように。
「・・・・・彼を、塔に運びなさい。」
そう言うと、少女は塔の中に入っていった。
後ろに死にかけた少年を背負う何かを引き連れて・・・・・・・・。
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