「怪我は無いか?」
左手を元に戻し、絹に手を差し出す。
彼女は怯えて下がってしまった。
「・・・ちっ」
いうのが早いか、彼は彼女をいきなり抱き起こした。
顔と顔が少し揺れるだけでキスできそうなほど近づく。
「あ・・・・」
これでもヴォルトは悪い顔ではない。
そのせいか、絹の顔は朱に染まった。
おい、絹、恐怖は何処いったんだよ・・・・・。
見てる人はそう思った事だろう。
因みにヴォイスは安心させるのが面倒だから強引に立たせただけである。
騒いだらどうするつもりだったんだろうか?
当然そんな事は考えていない。
「怪我は無いか?」
その言葉に思わず
「は、はい・・・・・」
絹がヴォイスに見とれて虚ろに言った。
すぐに彼の体は絹から離れていった。
「あっ」
絹は残念そうである。
そして、次に彼に降り注いだのは、喝采と女将の(凄まじい)平手だった。
ぱっしーん!
「あんた!やるじゃないか!!!それ、からくりって奴だろ!!!ほら、南蛮とかからよく来るって言うじゃないか!!」
女将の言葉にほかの皆も納得していた。
・・・・・・ってか、違うだろおい!!明らかにおかしいだろ!!いいのかこの町!!俺サイボーグだし!!なにからくりって!!!
俺木じゃないし!!生態兵器だし!!
彼のほうがその勘違い順応の早さに驚かされてしまった。ちなみに、女将に叩かれて痛みにのた打ち回りながら、である。
!!!!・・・・・こ、この女将、まじでサイボーグじゃなかろうか・・・・・・・
そう思いつつ、彼は一躍チンピラから看板娘を守った英雄として町に受け入れられた。
変な服装も込みでね。
その後、彼は栄の宿屋の用心棒兼冴の家の男手として、江戸の城下町に住むことになった。
「おいっ!!俺はいつになったら任務に就けるんだぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そんな叫びがたまに江戸の町に響いたとか響かなかったとか。
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