からくり=サイボーグ?
はるか未来の話、ここはとある工場。
そこでは半生態人型兵器、いわゆるサイボーグと呼ばれるモノが作られ、出荷されていた。
今日も兵士が量産され、各地の紛争地域に運ばれて行く。
「・・・・・」
運ばれるトラックの中では皆異様なカプセルに入れられていた。
ガラス面から顔は見えるが他の部分は外からでは見えなかった。
そして、全行程の半分ほどトラックが進み、山道をなお進んでいる所で、事件は起こった。
空にいきなり戦闘機が現れたのだ。
数は一機だが輸送用のトラックなのでもちろん反撃する術は無い。
サイボーグたちも解除コードを入れなければ起動などもちろんしない。
因みに、敵の手に渡っても利用されないよう解除コードはかなりおかしな文になっている。
運転手がそれっぽいことをいくら叫んでもどれ一つとして起動はしなかった。
こうなればもうこの運転手はただ悲鳴を上げ、恐怖に駆られて逃げるだけだ。
今までしてきた非合法の悪事や、自分がこんな目にあう理不尽さなど、色んな事を叫ぶがやはり事態は良くなりそうも無かった。
ついにトラックに戦闘機からミサイルが打ち込まれる。
それはちょうど運転席と荷台の間あたりに命中し、その爆発で先頭にあったサイボーグから徐々に破壊されていった。
唯一つ、運良く衝撃で開いた荷台から崖に落ちた一つを除き、サイボーグはトラックの運転手と共に天に召される事となった。
皆さんに黙祷。
一方、山の急斜面をサイボーグを入れたカプセルが転がりながら落ちていく、カプセルはその衝撃でショート、破壊され、徐々に原形をとどめなくなっていった。
二度、三度とショートした回路から電気が放出され、バリッ!バリッ!と音を立てている。
そして、何度目かのショートで一際電気が放出されカプセル全体を電気の幕が覆った。
凄まじい音を立ててカプセルはがけ下に転落していく。
遂に耳を壊すような音が辺りに響いたかと思うと、地面でカプセルはぐしゃぐしゃに潰れていた。
まるでそこだけ重力が何倍もかかったような光景であった。
だが、その中に、あるはずのサイボーグの姿は無かった・・・・・・。
「ふんふ〜ん。」
鼻歌交じりに少女が川で洗濯をしている。見た目は10代後半と言った所だろう。
「おやおや、お冴ちゃん。いつもご苦労様だねぇ。」
そこに現れたのは40代も過ぎたというほどの女性。ほんと、まるっきり近所のオバサンである。
「ああ、お栄さん。ええ、ウチ洗濯好きなんです。」
親しみを込めて冴と呼ばれた少女は笑った。
「ほんと、良い子だねぇ、うちの馬鹿息子にも見習ってほしいもんだよ。あのバカッ!!またどこかに行って店の手伝いなんかしやしない。」
と、自分の子供をけなすけなす。
少女はまたか、と適当に相槌を打って時が過ぎるのを待った。
この人、お栄と呼ばれる女性はこの町の宿の女将をしている。性格も良く、人情にあふれているんだが・・・・・・・愚痴、が始まると長い。
とにかく長い、なんというか、ただただ長い。
三分で出来るインスタントを100個連続で作ってもまだ足りないぐらい長い。
つまり、相当長いのだ。
最近両親を無くし、内職で暮らしている冴をこの女将は色々と世話をしてくれているのでよく愚痴を聞かされたせいで、上手く受け流す術を覚えてしまった。
ああ、慣れって凄い。
そして、用事を思い出したのか、お栄は
「あらやだ、旦那に知らせる事があったんだっけ。」
などと、たっぷり二時間も独演会をした頃に言い出して帰っていった。
「・・・・今知らせても遅いんじゃぁ。」
冴の呟きは川のせせらぎの音と共に消えた。
洗濯に戻った冴が、そろそろ終えようとした時、彼女は不思議なものを見た。
「・・・・・・木?」
遠くから何かが流れてきたのだ。
それは次第に近づいてきて、
「木じゃない・・・・なんだろう?」
よくよく見ると・・・・・・・
「あ、な〜んだ足か。ははっ何かと思った〜・・・・・・・・・・・足?」
木のような枝のような、だが立派な人の足はさわさわと、冴の前を流れていった。
「あ、足〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
意味のわからない声を上げて冴が叫ぶ。
足に向かって足と言ってどうするのかねこの子は、と作者は思う。
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