反転
〜変化の定義〜
八月十日
――つまらない
――どうでもいい
――何故こんなことを
そんな考えばかりが浮かぶ。
何故だろうか。
今まで特に気にもせずにやってきた事全てがつまらなく感じるようになってしまった。
生きて来た二十数年の中で身に付いた遊びも、仕事も、幼い頃から楽しいと思えて続けていた趣味も、ついには生きている事さえ――
八月十一日
今日もまた、生きていく為に仕事をして、食事によって栄養を摂り、そしてもうすぐ睡眠をとる。
何事も無い、いや、何も無い。
世界はこんなにも退屈なものだったのだろうかと、ふと思った。
八月十二日
今朝見た新聞によれば殺人や強盗の発生率が急上昇しているようだ。
それは、果たして、この退屈な人生を打ち破ってくれるのだろうか?
そうする事でこの拷問のような日常から抜け出せるのなら、俺は躊躇なく、どんなことでもやってやる。
でも、もし違うのなら、余計に自分の人生をつまらなくさせるだけなのかもしれない。
どうしたら良いのだろう……
八月十三日
最近、仕事場でよく同僚の女性から話しかけられる。
どうでもいい話なので適当に相槌を打っているが、何故彼女はあんなにも楽しそうなのだろう?
羨ましい、と、心からそう思う。
しかしその反面、どうして俺には楽しみが無いのに彼女だけ、と、嫉妬もしてしまう。
俺はなんて浅はかな奴なんだろう。
つくづく呆れ果てる。
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