高校が 行きにくい場所になっていく
高等学校改革プラン検討委員会 なる組織が、今後の高校の再編について案を出しています。
以下に少しだけ紹介しますが、不登校の子ども達の重要な選択肢の一つとして位置づいている碩信高校や大分中央高校がなくなろうとしています。
2004 年1 0 月4 日に、高等学校改革プラン検討委員会が、「今後の県立高等学校の在り方について」〜特色・魅力・活力ある学校づくりに向けて〜という中間まとめを発表しました。
それによると、
社会は情報化、少子化、高齢化、環境問題などによる変化、規制緩和、地方分権など国と地方の枠組みが変化している。
生徒は、中学校卒業者の97.7%が高校進学している中生徒の能力・適性興味・関心進路希望は多様化している。また、2009年には11
591人の減少が予測される
ということです。
大分県は公立高等学校の第1学年の平均学級数は、平成16年度現在4.6となり、他県と比べて小規模校の学校が多い。
ということです。
そこで、社会の変化や多様化した生徒の学習ニーズ等に的確に対応するための高校教育は下のようになるということです。
高校改革の基本的な在り方
1 適性な学校規模及び学校・学科の配置
(1)県内の1学年3学級以下の小規模校は、54校中18校あり、全学校数の3割。小規模校は大規模校に比べて良い点もあるが、多くの問題もある
と、いきなり「小規模校が多い」ことを指摘しますが、それだけでなく小規模校が悪いという印象付けも行います。
(2)改革の方向
@適正な学校規模
適正規模は、1学年6学級から8学級(1学級40人)として再編整備を行う。ただし、状況により4〜5学級ができることも止むを得ない。
A適正な学校・学科の配置
と、さらに続けて小規模解消を謳います。
発展的統合を進めながら再編整備を行う。その際、地域の浮揚策や振興策の立場だけから考えるのではなく、教育の機会均等という原点に立ち返り「子どもたちにとって真に望ましい学校」という視点に立って進める。
と、「地域や家庭の事情は置いといて、尚且つ機会均等で子どもたちに真に望ましい」と、なんとも理解しがたい文が出てきます。
統合しないと小規模校解消はできない。統合すれば、通学が大変になる人は必ずたくさん出てくる。
経済的負担が大きくなる人が増え、経済的に裕福でない家庭では子どもが高等教育を受けることが難しくなりやすい。
これってそんなに難しい理屈ではないと思うんですけど、これがどうして「教育の機会均等」になり、「真に望ましい学校」なんでしょうか??
少し規模を広げて考えると、「九州の大学を整理します。大分県にある問題のある小さな大学はなくして、九州に一つ環境のよい大学を作ります。場所は人口の多い福岡です。さあ、機会は均等で望ましいでしょう?」
という発想です。
どうでしょうか?説得力ありますか?
説得力とは無関係に、 「例え話だし、規模が違って自分のところには実害がなさそうだからまあいいか。」と思う人がほとんどだと思います。親の経済力を見て、生まれる家を決めた子どもは良かったですね。でも、そんな人いるんでしょうか?
このような案を考える人って、だいたい優秀な人なんでしょう。「優秀」の中身は、多分、、、、、、。
いろんな立場の人を考えられないっていうのも「優秀」の条件?まあ、「優秀」って概念そのものが、「人と比較する」ことから生まれるものですから、パワーゲームに飲み込まれてる人たちなんですけど。
この基本姿勢に続いて「特色ある学校づくり」と来るわけです。
色々書いていますが、早い話が総合学科を増やし、中高一貫校を作り、単位制高校を作る ということです。
知ってる人は知ってる通り、優秀な学生を作るための中高一貫校(独自のカリキュラムでエリート育成ができる)。その他はまあ総合学科で何かして、従順な労働者になってくれ。総合学科にもいけない(行かない)人は、単位制?という中教審の答申通りの「改革」です。
定時性・通信制については次のように書いています。
(エ)独立単位制高校
定時制・通信制の高校を統合し、中途退学や生涯学習社会に対応する高校。
そして、学科再編の実施のところで、
B既存の学校・学科の充実
と題して、
(イ)定時制・通信制課程
早急に独立単位制高校を新設する。
とあるのです。なにが充実なのでしょう?
具体的な学校の再編は下のようになっています。
| 【2006年度】 | (第5通学区域) ・竹田高校」を普通科の単独校とする。「 ・三重高校「三重農業高校「緒方工業高校「竹田商業高校」を発展的に統合し、総合選択制の高校とする。 |
| 【2007年度】 | (第1通学区域) ・宇佐高校」と「四日市高校」を発展的に統合し、普通科の単独校とする。 (第2・3通学区域) ・大分市内または別府市内の普通科高校のいずれかに「併設型中高一貫教育校」、「単位制高校」を導入する。 |
| 【2008年度】 | (第1通学区域) ・宇佐産業科学高校」を総合選択制の高校とし「高田高校」を普通科の単独校とする。 (第2通学区域) ・国東高校「国東農工高校「双国高校」を発展的に統合し、総合選択制の高校とする。 |
| 【2009年度】 | (第1通学区域) ・中津工業高校」と「中津商業高校」を発展的に統合し、総合選択制の高校とする。 (第3通学区域) ・碩信高校」と「大分中央高校「別府鶴見丘高校定時制」を発展的に統合し、大分市内に「独立単位制高校」を新設する。 |
パブリックコメントも募集したようですが、既に募集期間は終わっていました(11月12日まで)。知らずに来たというのが、われながらなんとも情けない話です。
ニュースでは年末には方針を打ち出すということですので、流れを止めることは大変難しいだろうというのが、個人的な感想です。
ただ、これも私見ですが、通信制・定時制は、不登校の子どもたちにとって特別な意味を持っているので、ネットワークとして何もせずに2009年度を迎えるわけには行かないと思います。
ここからはぼやきです。
国の方針は、スーパーエリート(隔離されて促成栽培された人が何でエリートの名に値するのか判りませんけど、、、)育成と、従順な「その他大勢」の金のかからない育成(?)のように感じます。つまり差別選別化ですね。国を滅ぼす気でしょうか?意見を聞いてもらった人が意見を聞ける人になりやすく、殴られて育った人は殴る人になりやすいっていう傾向から考えると、「情けは人のためならず」なんですけどねえ。
で、県の委員会のまとめは、「金がない」以外の主張は感じられません。それならそれで「金がないから、ごめんなさい。でも大分県の将来のために、皆さん話し合いましょう。協力してください」と広く呼びかけ、「説明会」ではなくて、具体的な場面をどんどん設定すれば、時間と手間はかかるだろうけど、県の事情の考えて、どこにどんな手当てをするのが良いのかなども見えてくる気がするけど。時間と手間ってお金そのものですしねえ。きちんとした現実的な根拠がなければそんな面倒なことはしないでしょうねえ。。。。国の教育方針同様、金のない人や県は唯々諾々とするしかないってことですか?
でも、金のない田舎の県だからこそ、全国に提言できる「知恵」を出せる立場に立てるんじゃないかと思うんだけど、、、、。やっぱり、手間と時間はかけられない?かけるつもりがない?どっちだろう。 2004.11.23
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