風見鶏U

「別府でレースを計画しています。ぜひ、来てください。」と、明浜レースの表彰式の後、別府外洋ヨットクラブの海王オーナー奈良さんからご案内があった。レースは参加することに意義があるなどと勝手に思いこんでいるヨットビギナーの私は、第3回別府湯けむりヨットレースにエントリーすることにした。愛艇リベちゃんこと風見鶏Uでの豊後水道を横断するのは、はじめてのことである。幸い、クルーも1名確保できたし、クルージングがてら、温泉に入りにいこうという軽いのりでの参加であった。

 10月12日、別府北浜ヨットハーバーへ回航である。実は、1ヶ月前にDUO・EXPRESSを北浜まで回航したときにクルーで来た。天候さえ良ければ楽しいクルージングになるはずである。しかし、エントリーはしたものの単身赴任の身であり、準備は全くできなかった。しかも前日まで出張で、帰宅したのが22時、出港を5時としていたので、2時間くらいしか寝ていない。眠い。とりあえず、燃料(もちろん泡が出る例のやつと軽油)と食料を車に積み、ホームポートには4時に行き、クルーの石城君を待つ。

  定刻の5時豊浦港を出港。まだ外は真っ暗で全く見えない。サーチライトをセットし慎重に舫をはずし、デッドスローで真珠筏の隙間をぬうように走る。いつも出入りするホームポートである。どこに何があるかは頭のなかに入っているが、この時間は干潮時でもあり筏の位置がいつもと微妙に違う。サーチライトは強力で、電流計を見ると6A近くさしている。これは、連続で照らすとプラグがいかれるなと思いながらもついつい照らしてしまう。
 
 三浦湾は、真珠筏がいくつもあり、普段でさえセーリングエリアまで機送で40分くらいかかる。案の定、湾の中程に来たときにサーチライトのプラグが溶けた。懐中電灯に切り替え慎重に走る。遊子の集落の灯りや、漁船の灯りで遠くはまぶしく、筏の位置がわかりにくい。無事遊子沖を通過、ハマチの養殖筏に沿って嘉島方向を目指そうとしたが、とりあえず広いエリアに出ようということになり、円瀬浮標をめざした。無事円瀬浮標をクリヤーし、コンパスを280度にセットし、これからは、オートパイロットに任せることにした。とりあえず一段落したのでプシュと乾杯。風は全くない。
 06:00,やっと夜が明ける。静かな宇和島湾であった。鬼ヶ城山系から太陽が顔を出す。退屈さと眠気で体がだるい。ビールのつまみにと期待をこめ、メジカこぎをセットした。
GPSは5.5ノットを表示。

    

 

 07:00嘉島沖を通過、メインをセットし、気ままなクルージングが続く。メジカこぎは全くヒットしない。
   

 

 11:00速吹瀬戸。近くまで行ってみようということになり、艇を進めたが、あっという間に潮が来て、反転したが、GPSの速度は1ノット。潮に追い越される・・・・。ちょっとしたスリルであったが、馬鹿なまねは次回からやめようと思った。メジカこぎにはいっこうにあたりがない。
 関崎をめざす。少し時間を浪費した。西100度の方向からヨットが向かってきた。双眼鏡で確認すると、はる風である。この調子だと関崎を通過したころに抜かれるなと思った。
 
 

 

 案の定、関崎を通過してしばらくすると、はる風に追いつかれた。毛利会長と、吉岡氏の2人が乗っていた。あっちも、プシュでやっている。こっちも負けずにプシュで乾杯である。
 

 

 別府湾に入ってからが遠い。何もすることがないので、スピンの練習をする。クルーはいるものの彼はスピンをあげたことがないのでほとんどシングルでセットした。これではレースにならんなと思った。
  

 

 

無事15:30北浜ヨットハーバーに到着。奈良さんが出迎えてくれた。
Pole poleに横抱きさせてもらい、一息つく。このハーバーは本当にいいが、唯一難点がある。テンダーで上陸しなければならないからである。このテンダーがくせものです。畳1枚程度の発泡スチロールで作ったテンダーとか。実は私はこのテンダーが天敵なのであります。今のホームポートに移る前は同じようにテンダーで渡っていました。(ここのテンダーよりはずっとましだが)それでも2,3回沈し、1度は大けがをしたのです。そいうったこともあり、テンダー=沈というイメージが頭から離れません。Pole poleのテンダーはバールを4個クロスにまとめたもので安定感の悪い(ごめんなさい)テンダーであります。さあ、九州の地に上陸と思い、Polepoleのバウから降りようとしたところ、腰まで沈です。やってしまいました。北浜の手あつい歓迎です。うーんPolepole様に挨拶をしなかったからかなあ。被害は携帯のみでしたが。そのまま花菱ホテルの露天風呂へ直行です。北浜のみなさんはすごい。あの小さなテンダーを立ち乗りです。波乗りジョニーです。
 昨日は2時間しか寝ていなかったので、6:00までぐっすり寝ることができました。さっそく温泉に行こうと思い、市営の竹瓦温泉に行きました。徒歩で10分も歩かないうちにありました。この湯は熱い。
 いよいよレースです。エントリーをすませ、開会式です。。ゼッケンはNO.6です。ろくでもない番号?です。きのうからついていません。小出会長の挨拶の後艇長会議です。なんか、はちまきをしめて気合いを入れている方もいます。誰でしょう?ちかちゃんの柳さんかな?でも、私の相手ではありません。なんて。
 エントリーは22艇。ハンディでは下から4番目なので、それくらいには入ろうと思っていますがどうなることやら。
 いそいでレース海面へ出発です。
 今日は風がありません。いやな予感です。風がなかったらりべちゃんは進んでくれません。
ぶっつけ本番とはこのことでしょう。せめてスタート3分間はそこそこのポジションをキープしょうと思い、スタートのポジションをさがします。そういえば時刻の確認がなかったなと思い、私のGショックで確認する。10分前、5分前、そこそこの位置をキープ。隣(スタボー側)にはご夫婦で参加のラミジ、ポート側に海王、良いポジションです。
 あと1分なんとかフライングはなさそうです。
ラミジではバウに末岡オーナーが立ちスタートラインをにらんでいます。出てる?出てない?とスキッパーの奥様と楽しい?会話をしています。末岡さんまじめです。性格が現れています。このあととんでもない言葉を聞くことになります。そうこうしているとスタートの合図です。スタートはばっちりです。

スタート直後の様子です。これで風見鶏Uのポジションが想像できます。
おや?ソリトンではありませんか。 志高、つきのつるぎもいますね。 はる風も見えます。

 しかし、5分後、となりにいたラミジが海面をすべるように出ていきました。トップです。その後をサテンドール、海王がついていきます。ラミジのスキッパー末岡奥様の声が聞こえます。第一マークはどこですか?トップを走ったことがないから。(あとのパーティーでそう聞きました)すると、サテンドール森重提督の声です。サテンドールの方向だよ。あっという間にサテンはラミジを抜き去り、第1マークへ。このつかの間のトップで、末岡奥様優勝の2文字が頭に浮かんだそうで、優勝の言葉をどう言おうか悩んだそうです。(これもあとのパーティーでそう聞きました)  
 そうこうしているうちにほとんどの艇が風見鶏を抜き去りました。やはり、集中が必要です。私がいつも遅いのは、変なレポートをしているからです。写真を撮ったりそんな余裕はないはずです。やはり、専属レポーターが必要です。             
   

 


 レポーター役はやめてまじめにレースに集中することにしました。でも時すでに遅し。先行艇は第1マーク近くです。しかも、ブローチングしながらマークを目指しています。早う来いや、いらつきます。やっとブローがきました。これで少し走れます。2,3艇抜き、第1マークも良い角度で行けそうです。しかし、レースにはエントリーしてないと思われるY21かな?艇が前方にいます。どけー、バウがあたりそうです。しかたなく、下手にまわります。このままではマークをまわれません。タックが必要です。その艇はぎりぎりマークをまわり、風見鶏はタックを2回行い第1マークをまわりました。やめてよねえ。レースの邪魔は。第2マークをまではスピンランです。先行艇ではスピンをおろすのに苦労しています。もう順位はどうでも良いのでスピンのセットはしたものの様子を見ることにしました。

 第2マークも無事クリヤーし、快調に走ります。先ほど邪魔した艇がまたもや前方にいます。かなりヒールして不安定なので少し離れて抜き去りました。第3マークも無事クリヤーしこれから第1マーク折り返しです。トップ集団とすれちがいます。第1マークも無事クリヤーしゴールをめざします。途中から風があったので本当に楽しいレースでした。次回からはレポーター役はやめてレースに集中です。
表彰式、パーティーが楽しみだあ!おっとその前に温泉だあ!

 温泉に行く前に一息ついていたら、ジュニア達が練習から帰ってきました。別府は底辺が広い。環境もいい。うまいなあ。私だったらとっくに沈してるぞ。  花菱ホテル屋上の露天風呂から見ました。手前が北浜ヨットハーバー。向こうの漁港にも数艇係留しています。 上陸すると別府市街です。

アフターパーティーの会場は、花菱ホテル10階のバイキングパーティーです。
アフターパーティは、宇和島ヨットクラブ毛利会長の乾杯ではじまりました。我々のテーブルは、サテンドール森重提督、ラミジの末岡さん、志高の星子さんのグループです。こりゃ面白い話が聞けるぞとおもいきや、やっぱり楽しいですなあ、このメンバーは。
今日のレースはトップだよ。ほんの一瞬だったけど。この話でしばらく盛り上がりました。あの声はみんなに聞こえましたよ。第一マークはどこですか?ってやつ。まいったなあ。スタートして5分もたたないんだよね。
いよいよ成績発表です。下位からの発表です。ハンディどおりでした。
訳ありの修正11位。リベはあんな位置にいるのはおかしいと、小出会長のお言葉。修行が足りません。固定ペラを何とかしなくては?ペラ変えても同じだったら腕のせいになるので、しばらくは固定ペラです。そして、レポーター役も返上です。


ユニークなプレゼンターで表彰式も盛り上がります。
優勝は、サテンドール森重提督です。カップを受け取るのも慣れたものです。
優勝トロフィーを目の前にして、宴会は盛り上がります。少しさわらせて。これがほしいのよねえ。と、みんなが酔って、いや寄ってさわりにきます。私もいっぱいさわらせていただきました。
21:00パーティーが終了し、楽しい表彰式でした。
14日早朝04:00北浜を出港。100度にオートパイロットをセットし宇和島豊浦港のホームポートをめざす。風があります。これが昨日だったら・・・。と思いながら、快調に関崎を通過、高島を超えたあたりから、セーリング開始。日振島付近で、例のメジカこぎに、しいらがヒット。取り込む手前でばらした。
 
14:00無事ホームポート着。本当に楽しい3日間であった。来年もぜひ開催してもらいたいものだ
。 
 

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